会長挨拶 2018-07-24T15:44:03+00:00

第30回ハンセン病コ・メディカル学術集会開催にあたって

第30回ハンセン病コ・メディカル学術集会
会長 坂本 浩之助
(国立療養所栗生楽泉園 園長)

このたび、第30回ハンセン病コ・メディカル学術集会を、平成30年9月28日(金)、29日(土)の2日間、群馬県吾妻郡草津町において、国立療養所栗生楽泉園が担当して開催することになりました。草津町でコ・メディカル学術集会を開催するのは過去30年間で初めてのことです。このような機会をいただきましたことに心より感謝申し上げます。

栗生楽泉園が所在する草津町は群馬県の北西部に位置し、西に白根山、南に浅間山を望む、標高1,200メートルの高原の町です。町の中心部にある草津温泉は古くからハンセン病に効果があるとされ、ハンセン病患者が湯治に集まりました。やがて草津温泉が全国的に有名になり、一般観光客が多く訪れるようになると、病健混浴を避けるため、明治20年、温泉街の東のはずれに患者居住地として湯之澤集落が開村しました。その後も湯之澤集落には全国からハンセン病患者が集まり、温泉街と接するほどに拡大したため、集団移転先として、昭和7年、温泉街から東へ3キロメートル離れた土地に栗生楽泉園が建設され、昨年には創設85周年を迎えております。

現在、国立ハンセン病療養所13施設では、人生の最終段階にさしかかった入所者がその人らしく生きられるように、多職種チームが入所者一人ひとりの意向を尊重したライフサポートを展開しています。入所者の人権を守り続けるために、人権擁護委員会の設置も進んでいます。当園でも、新しい理念を「みんなの笑顔が満ちあふれる 栗生楽泉園」とし、入所者が楽しく暮らし、職員が楽しく働ける施設をめざして、全職員が力を合わせて医療・ケアに取り組んでおります。過去がどんなに辛くても、これからの時間は笑顔で生きていただきたい。そのような思いから、今回のテーマは「みんなの笑顔のために 私たちができること」としました。各施設の創意工夫を凝らした取り組み事例を全国13施設で共有し、医療・ケアの質の向上に役立てていただきたいと存じます。
特別講演は、栗生楽泉園の敷地内にかつて設置されていた特別病室(重監房)の調査研究に取り組んでおられる重監房資料館主任学芸員の北原誠先生にご講演をお願いしました。教育講演は、人生の最終段階におけるケアがご専門の岡山大学大学院保健学研究科准教授の近藤真紀子先生にご講演いただく予定です。

会場は、草津温泉街に所在するホテルヴィレッジです。草津温泉街は本年1月に噴火した本白根山から5キロメートル以上離れており、危険が及ぶことはないとされています。学術集会1日目の夜には意見交換会、2日目の午後には栗生楽泉園と重監房資料館の見学ツアーも予定しております。多数の皆様のご参加をお待ちしております。